R8/3/19一般質疑録(暫定)神社の老木の危険性・街路樹の管理の在り方について
- 慧 務川
- 17 時間前
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まちに住み、暮らしの中で豊かな緑をふと見つけたとき、私たちはそのまちへの愛着を深めるものです。しかし、緑と共存していくには、その管理の難しさ、といった課題もあります。
まず、民地の樹木の管理について。
民地の管理はその所有者が担うことが大原則です。しかしながら、一般の民地とは異なる特殊な性格を持つ土地があります。神社の境内地です。
境内地の所有者は、地域の氏子会、宗教法人であり、特定の個人ではありません。
神社の主たる収入源は、氏子からの玉串料・初穂料および氏子会費であり、これに加えて例祭などの祭祀に伴う御神札・御守の頒布収入が中心となります。ご祈祷や奉納による収入が安定するのは、一定の社格を持つ大社に限られ、市内各所に点在する村社クラスの神社では、十分な歳入は期待できません。加えて、氏子会員数は年々減少し、高齢化も進んでいます。
つまり土地所有者たる氏子組織が神社の維持管理に充てられる人的・財政的資源は極めて限定的です。
人的・財政的資源を確保できない構造をかかえた所有者の土地。それが神社の境内地であります。
管理が行き届かなければ危険ととなりあわせです。
本年1月11日、市内各地が強風に煽られた日に市内のとある神社において、太さ20cm、長さ3mほどが古木の枝木が2つ、強風に煽られ境内へ落下しました。その場に偶然居合わせた軽トラックのすぐ近くに落下しました。直撃は免れましたが、あわや重大事故となるところでした。
この神社に限らず、このまま市内各地の神社の老木が放置され続けては、隣接住民・参拝者・通行者の命に対して深刻なリスクを及ぼしかねません。
神社は宗教法人であるがゆえに、その維持管理に対して行政が関与することには一定の制約があることは承知しています。しかし、公共の安全に資する観点で、民地たる境内地の危険木に対して行政が関与することは、禁じられるべきなのでしょうか。
市長は、こうした境内地を含め、民地に植生する危険木の管理について、どのように認識されているか、伺います。
また、民地の樹木の伐採等管理について、現行においてどのような支援制度が設けられているか、伺います。
支援制度については今後、確立、強化していく必要があると考えます。その財源として、ナラ枯れ被害の沈静化に伴う、ナラガレ対策費の相当分をより広義の樹木管理支援に充当することが合理的と考えます。見解を伺います。
かつて、薪が生活必需品であった時代には、樹木の剪定・伐採は地域住民や事業者が率先して行い、結果として、神社境内地等の樹林・樹木も整然と管理されていたと聞きます。燃料を得られる経済的インセンティブが樹木管理につながっていたということです。
現代においても、そうしたインセンティブを付与できないでしょうか。具体的には、市の支援制度を通じて生じた間伐材等はバイオマス燃料として、市が購入する制度を新設することを提案します。市の見解を伺います。
続いて、街路樹の管理についてです。
街路樹も同様、近年巨木化・老木化し、道路通行者の安全を脅かしています。
街路樹の計画的な伐採や更新、剪定等を実施し事故等を未然に防ぐため、市は年度内に「街路樹管理方針」を策定する予定であることは承知しております。この、「街路樹管理方針」の主要なポイントについて、伺います。
街路樹は本来、安全を脅かすものではなく、私たち市民が地元を愛するよりどころとなる美しい景観を形成するものです。市役所前の桜並木は誰もが知る相模原のシンボルであり、また新磯地区の桜並木のように、地域の歴史・文化の象徴となっているものもあります。
「街路樹管理方針」へは、安全性確保のための視点のみならず、地域景観のシンボルを特定し、次世代へと継承していく視点を盛り込むべきと考えます。市長の見解を伺います。
また、街路樹の整備・保全に取り組む現場の担い手についても、この方針取り上げるべきと考えます。見解を伺います。
現場の担い手については、令和6年6月定例会議の私の一般質問において、「公園等の施設管理業務」が同時入札・同時開札の制度を取り入れており、1事業者が複数の業務を落札してしまう問題を指摘し、見直しを求めました。事業の委託が特定の事業者に偏ることは、市内事業者を守り育成する視点と逆行する課題であると考えます。「公園等の施設管理業務」を含め、このような課題に対してどのような取組を行っているのか伺います。
また、「街路樹管理業務」についても同様の取組を行っているのか伺いまして1問目といたします。
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【市長答弁】
初めに、神社を含む民地の樹木の管理についてでございますが、所有者に管理責任があるもので、倒木などの事故を防止するためには、点検や剪定、伐採などを行い、適正な維持管理が重要と認識しています。現在、民地で倒木など危険性がある場合には、所有者に連絡し、伐採などの対応を依頼するとともに、必要に応じ、鉄道会社など関係機関に連絡し、事故の防止に取り組んでいます。
次に、民地の樹木管理を支援する制度についてでございます。本市では、市街地に残された貴重な樹林や名木・古木を、保存樹林や保存樹木に指定し、保存樹林には、指定地の固定資産税及び都市計画税に相当する額を奨励金として交付するほか、剪定等の維持管理に要する経費の2分の1、上限を30万円として助成しています。また、保存樹木には、剪定等の維持管理に要する経費の2分の1、上限を20万円として助成しています。
次に、樹木管理の考え方についてでございます。ナラ枯れ対策事業は、緊急的な措置として対応したもので、被害は、収束傾向にありますが、老木や枯損木などの倒木の被害もあることから、引き続き、木もれびの森の散策路や、そのほかの管理緑地の林縁部の点検、危険木の伐採などを行い、安心、安全な森づくりに取り組む必要があると考えています。
次に、保存樹林の維持管理についてでございますが、間伐材等の買取に関わる制度の創設は、現時点では考えていませんが、剪定等の経済的な負担もあると承知していますので、維持管理に係る負担などの課題の把握に努め、所有者の理解と協力を得ながら市街地の貴重な緑地の保全を図ってまいります。
・ 街路樹は、老木化による倒木等の事故をはじめ、安全面での課題が顕在化している一方で、良好な都市景観の形成など、多面的な機能を果たしている。
・ 方針案では、「人も街路樹も幸せなまち相模原」を目指すこととし、安全・安心な道路環境と都市の魅力向上を両立させつつ、将来にわたり継続していくため、街路樹の量の拡大から質の向上への転換を図るとしている。
・ 方針案では、「安全性の確保」と並び、「シンボル並木の形成」を取組方針の一つとして盛り込む。
・ 今後は、市民の皆様に桜の名所として親しまれている、市道市役所前通などを含め、対象となる路線を選定し、シンボル並木にふさわしい樹形の形成に向け、計画的な更新等を行い、良好な都市景観を形成することにより、都市のブランド力の向上に努めていく。
・ 方針案では、街路樹管理の複数年契約等による業務委託の導入について検討することとし、受注者側に安定的な業務量が見込まれることで、担い手の確保につながると考えている。
・ また、未来を担う子どもたちが、街路樹に関わるボランティア活動に関心を持てるよう、関係者との連携を図ることとしている。
本年度の公園等の施設管理業務については、時期を分けて発注するとともに、危険木伐採業務委託等については、「受注機会確保方式」を採用した。
街路樹管理の業務委託についても、同様の方式により発注している。
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再質問です。
古木の伐採・管理には相当の費用を要すると聞きます。樹木医の診断費用を含め、古木一本あたりの管理費用はおよそいくらになるか、市の認識を伺います。
(市答弁)
樹木の1本あたりの管理費用については、土地の形状や幹の太さによって金額の幅はありますが、例えば、本年度の委託業務で申し上げますと、平坦地で、幹の周囲が120センチメートルから150センチメートルの場合、伐採は、1本約24万円、剪定は、樹木の種類により、1本約6万円から13万円となっています。また、保存樹木の樹木医による診断は、1本あたり約4万円となっています。
全国の自治体では、保存樹林・保存樹木制度についてさまざまな工夫がなされています。他自治体の制度内容について、市はどのように把握しているか、伺います。
(市答弁)
保存樹林等の制度につきましては、それぞれの自治体で実情や考え方が異なるため、制度の有無も含めて、その内容もまちまちの状況です。例えば、指定都市において静岡市や京都市などでは、本市と同程度の補助が行われていると承知しています。
現行の上限30万円・1/2補助では、1本あたり12万円の所有者の自己負担となります。これが3・4本となりますと、多大な所有者負担が生じます。補助上限額の引き上げや、地形・樹木規模に応じた加算措置が必要ではないでしょうか。見解を伺います。
(市答弁)
斜面地などの場所や、樹木の高さによっては、剪定、伐採の費用が高額になることや、近年の物価や人件費の高騰によっても樹木の維持管理費が上昇していると承知しています。こうしたことから保存樹林等の維持管理に係る負担状況などについて、課題や状況の把握に努めてまいります。
氏子組織や自治会等の地域コミュニティが主体となって樹木管理に取り組む場合に、「コミュニティ加算」として補助額を上乗せする制度を新設することはできないでしょうか。見解を伺います。
(市答弁)
所有者の状況により、補助額を上乗せする制度については、現時点では考えていませんが、保存樹林等の維持管理に、地域の方々が参加することについては、有意義なことと考えます。引き続き、樹木の維持管理に関わる負担などの課題の把握に努め、市街地の貴重な緑地の保全を図ってまいりたいと考えています。
要望です。
補助金の補助率が1/2であると、保存樹林のように伐採が必要な樹木が複数ある土地では、どうしても土地所有者の負担額は大きくなります。他自治体では、樹林の面積に応じて毎年一定額の交付金を支給する事例もあります。
行政には、課題および現状の正確な把握に努めるのは勿論のこと、その先の、具体的かつ効果的な施策の拡充をお願いいたします。「こもれびの森」の散策路に限定することなく、危険が明白な民有地、とりわけ保存樹林に指定された土地につきましては、行政による積極的かつ継続的な支援を強く要請いたします。
続いて、街路樹管理に関する再質問です。
シンボル並木の選定については、どのようなスケジュールか伺います。また、選定にあたっては、どのような基準で決めていくのか、地域住民の声を拾いながら決めていくか、伺います。
(市答弁)
・ シンボル並木については、景観重要樹木に指定していることや地域のイベントに活用されていることなどの要件により選定することとしている。
・ 具体的な対象路線等は、令和8年度に(仮称)街路樹管理計画 を策定する中で市民の皆様からの御意見を伺いつつ、検討する。
シンボル並木に選定された街路樹については、通常の街路樹管理を超えた重点的な支援措置が行われる見込みか、伺います。
(市答弁)
・ シンボル並木とする路線は、他の街路樹に比べ、剪定頻度を高めるなど、より手厚い管理を行うことを考えている。
新磯地区の桜並木については、今後桜の植え替えを実施する必要がありますが、新しい植え込み先の確保が課題となります。現在、桜が植えている箇所がJR相模線と市の所有地の境界線上にあり、敷地内に生えていたり、市の所有地に生えていたり、まばらな状況です。今後、市が主導して積極的に管理をしていただきたいが、どのように管理するのか伺います。
(市答弁)
・ 市道新磯の桜並木については、どちらの敷地に桜が植わっているか改めて確認した。
・ 今後、JR東日本の御意見を伺いつつ本年度に策定する市 街路樹管理方針等に基づいて適切な維持管理に努めていく。
新磯の桜並木は住民が長年にわたり強い思い入れを寄せてきた、南区の誇るべき景観資産です。ぜひ「シンボル並木」に選定していただくとともに、地域の声を丁寧に拾いながら、前向きな検討をお願いいたします。
担い手である事業者からの声として、書類の簡素化を進めてほしいという声や、土木事務所により指導が違うことがあるとの声があります。更なる簡素化と統一的指導をすべきと考えるが、見解を伺います。
(市答弁)
本市では、これまで土木工事について、工事書類の簡素化に取り組んできたが、今後は、事業者の御意見も伺いつつ、業務委託における書類の簡素化や記載方法の明確化などについて、検討する。
要望です。
まちの緑の美しさは、まちに対する愛着と誇りに多大な影響を与えるものです。一方で、緑が危険をもたらす目下の事態は、厳に是正されるべき課題です。
今回の街路樹管理方針は、相模原市が、みどりを美しく保つまちへと生まれ変わるための第1歩となる施策として、大変有意義に感じます。地域および管理の担い手との協働体制を構築しつつ、積極的かつ着実に推進していただきますようお願い申し上げます。
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