【政策報告】市内の米作りと小中学校給食のこれから
- 慧 務川
- 10月8日
- 読了時間: 3分
相模原市内産のお米のほとんどは、市内小中学校の給食で提供されています。
相模原市には新磯、当麻、田名、大島等にそれぞれ数十町歩の水田地帯があり、毎年約385トンのお米が生産されています。市内産米はそのほとんどが、全農かながわを通じて学校給食会に供給され、その後市内学校給食の食材として利用されています。
燃料・肥料高騰などで市内産米の価格も上がりはじめています。
これまで市内産米は全農かながわが約1万2千円/60kgの価格で買い取っていました。しかし、この買取額では、市内のほとんどの小規模農家は赤字(右表参照)です。
また、燃料・肥料費の高騰で農家の利益は更に減っています。
さらに、去年あたりから、新規参入の「バイヤー」が現れ、高額の買取額を提示しはじめています。
こうした背景から、今年の全農かながわの買取額は約2万円/60kgに引き上げとなりました。このため、今後、市内産米の流通・販売価格も上がっていくことが予想されます。
今年3月に学校給食費の条例を見直し、給食費上限を引き上げました。
学校給食費の値上がり分は、当面、市の補助金でカバーします。
今後3年間の物価上昇を見込み、令和7年3月議会で学校給食費の値上げ条例を可決しました。 小学校給食費は年額の上限を50800円から63800円に引き上げ、中学校給食費は年額の上限を58300円から80300円に引き上げました。この改正により、学校給食メニューの品目数減少や栄養価の減少など、質の低下を防ぐことができます。
ただし、当面は保護者負担が増えないよう、「給食費一部無償化」や「市の補助金で値上げ分を補填」します。具体的には、令和7年度当初予算において、
〇小学校1年生の給食費無償化(予算約2億円)
〇給食費値上げ分の補填(予算約4億4千万円)
※小学生一人当たり7400円の補填 中学生一人当たり14800円の補填
といった予算を組んでいます。
全学年の給食費無償化については、国が検討を始めましたので、その動向に注目しています。
市内の米農家の多くは高齢化しており、若手の担い手確保が急務です
米農家の高齢化は深刻です。近い将来、米作りの担い手が更に少なくなり、米の価格は更に上がってしまうかもしれません。若い後継ぎを見つける必要があります。しかし、生計を立てられる事業でなければ、若い世代は米作りを引き継ぎません。
「生計を立てられる事業」にするため、米作りによる収入増が必要です。三菱総研の試算(右表)では、3.5反(35a)の一般的な稲作農家では、米作りによる所得は約11万円の赤字です。17町歩(17ha)の中規模稲作農家でようやく約767万円の所得が見込めるようになりますが、相模原市に17町歩の規模の稲作農家はいません。
将来の若手の担い手の所得を引き上げていくには、現行の農地を集約拡大し、中規模・大規模生産体制に変更していく必要があります。
来年度、再来年度に向け、
現行農地の改良に向けた行政支援の強化を進めています。
現行農地の「不便さ」では所得向上を見込めません。水路の改良や畦畔除去による区画拡大といった農地改良の取組が必要です。
今後は国庫補助事業である「耕作条件改善事業」や、県補助事業である「農とみどりの整備事業」を駆使し、行政の財政負担による事業推進を図ります。
こうした「農家負担のない行政支援」の見通しを地域に示しつつ、「将来、どこの農地を誰が担うか」、地域の農業関係者が市行政や農業関係機関と話合いう「地域での話合い」をこの夏から実施していきます。



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