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詳細メモ 10/30-31こども文教委員会視察

  • 執筆者の写真: 慧 務川
    慧 務川
  • 11月18日
  • 読了時間: 5分

①  仙台市への視察報告(10月30日)

仙台市直営の「子ども若者相談支援センター」を視察した。

本センターは子ども・若者育成支援推進法に基づく総合相談拠点で、0~39歳を対象に相談支援、居場所支援、街頭指導、団体支援を一体的に担う。政令市では稀な直営モデルとして、複雑化する不登校やひきこもり、相談先への到達困難に対し、行政の人材・政策を横断活用できる点が強み。

当センターは、青少年指導室から始まり、段階的に機能を拡充し現体制に至った。特徴は学校連携を担う行政教員の常駐と、多職種チームによる迅速なケース連携で、学校現場の知見を支援設計に直結できること。

 

<具体的な支援内容>

〇相談支援では、家庭・人間関係・学校・就労など幅広いテーマを総合窓口で受け、面接→個別支援へとつなぐ。匿名・24時間電話、平日の子育て相談を備え、必要に応じて就労移行、発達相談、医療へ情報共有や同行支援を行う。

〇居場所支援は本体の「ふれあい広場」と市内3か所のサテライトで構成され、学習・音楽・運動・行事に加え、職場体験や面接練習など就学・就労へのステップを用意する。

「ふれあい広場」は課題の重いケースに担当制で深く関わり、サテライトは通いやすい段階の若者が自由度高く利用する設計。相互送客で定着を図る。

〇街頭指導は中心部や学校区での巡回・声かけを継続し、集中的な時間帯に体制を強化して相談・居場所への導線を作る。

〇団体支援は健全育成団体への補助・運営助言やフェスティバル、セミナー支援を通じて地域資源の裾野を広げる。

<支援の対象者>

相談の主流は中高生で、不登校やひきこもりが中心。保護者面接から始め、家庭訪問や近隣での短時間面会、外出練習など小さな成功体験を積み、関係機関連携と同行支援で就学・就労へ橋渡しする。学校とは別室登校や放課後の短時間訪問など「接点を保つ小さな一歩」を設計し、センターと学校を往来するリズムを整える。不登校増加の背景は、目標喪失や過大な期待、学力・交友の不適合に加え、無理登校を求めない価値観の広がりや多様な学びの選択肢の増加など複合的である。

 

児童相談所が生命・身体の危機に即応する強制力を担うのに対し、センターはその手前の曖昧領域で早期・包括的に関わる「ハブ」として機能する。医療面では発達相談支援センターと連携し、受診待機や保護者の受容課題に配慮しつつ、面接・同行で受診障壁を下げる。

課題は、複合課題への個別化、居場所から次段階への移行設計、医療連携の待機問題、街頭から定着支援への橋渡し、サテライト利用者の追跡などである。市の子ども若者プラン2025は、本人に寄り添う支援、機関連携、社会参加の回路づくりを掲げ、センターの機能向上を方向付ける。

直営ならではの柔軟性で制度の谷間を埋める「センター」の役割は先行事例と高く評価できる。

 

②  福島市への視察報告(10月31日)

福島市における「特色ある幼児教育・保育プロジェクト」を中心に、制度設計・選定プロセス・広報手法・人材確保・保護者ニーズへの対応状況を確認し、その強みと課題を把握した。あわせて、指定管理施設(こむこむ館)の企画運営の工夫についても触れ、地域全体での“学び・体験の接着点”の在り方を学んだ。

 

■「特色ある幼児教育・保育プロジェクト」について

 

市は令和2年度から中期計画に基づき、私立を中心とした各園の独自性ある実践を支援・可視化するプロジェクトを展開している。柱は三つ。

①創造性・感性を育む教育・保育の実践を行う施設を支援し、保育の質向上につなげること。

②特色ある園の姿を保護者が選べる環境を整え、「子育てするなら福島市」という価値を高めること。

③取り組みを市内外へ広く発信し、子育ての魅力をPRすること。対象施設は市内の私立幼稚園・保育所・認定こども園・地域型保育事業所で、毎年度の公募・選定を経て採択される。

 

取り組み類型は五つに整理される。

・共生社会の推進(多様性理解・尊重)

・自然環境を生かした学び

・心身の健康増進と身体機能の向上

・芸術・文化・伝統に親しむ活動

・ICT活用や地域連携等のその他特色領域。

各園は既存の実践に“新規の工夫”を加え、単発イベントに終わらない持続的なプログラムとして提案する点が重視される。

 

財政支援は、立ち上げ期(概ね3年)に手厚く、継続期は「自走」を見据えた設計。立ち上げでは備品や環境整備、外部講師招聘、職員研修など初期投資を下支えし、継続期は運営のブラッシュアップに必要な経費を補う。

 

選定は大学関係者、子育て世代代表、経済団体、市幹部などによる審査会で行われ、類型適合性、実現可能性、持続性が基準となる。採択後は中間発表や市HP・パンフレット・動画等による広報、乳幼児健診や家庭訪問での情報配布など、保護者接点での周知が体系化されている。

 

取組の広報としては、市が紙媒体に加えPR動画を継続制作し、ショート版を含めたデジタル配信で市内外、とくに県外子育て世帯にもアプローチしている。

 

参加園からは、事務負担はあるものの「自園の保育を省察し、職員が学び直す契機になった」「保護者・地域と協働することで活動が豊かになった」との声が寄せられている。自然体験や運動遊び、芸術表現、図書・言語活動などの分野で、子どもの主体性・協調性・やり抜く力を引き出す実績が市内保育園に蓄積され、その“見える化”に取り組むことで保護者の保育園選びを後押ししている。

 

■「こむこむ館」について

指定管理者が運営する「こむこむ館」は、理科実験・プラネタリウム・劇場・児童図書などを集約化し、企業と連携した大型体験イベントを開催している。低予算でも、企業と連携することで子どもの好奇心を刺激する常設・特設プログラムを開催する運営手腕が印象的であった。科学体験や職業体験、地域防災との合同企画など、学校や園では難しい“非日常の濃い学び”を提供し、週末の家族学習の受け皿として定着している。

 

以上

 
 
 

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むかわ けい(務川 慧)

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